囲碁教室の先生が語る、囲碁がもたらす子供への良い影響とは?

こんにちは。私はとあるこども囲碁教室で先生、というかアシスタントをしています。

教室には4歳から高校生くらいまで、様々な年齢の子供たちが居て、お互いに切磋琢磨しながら楽しく囲碁を学んでいます。

今回は、先生をしていて感じた子供への影響、良い点を書いていこうと思います。

集中力がつく

囲碁のプロは、ひとり二時間〜八時間なんていう長い持ち時間の中、集中して対局にのぞみます。子供たちは、最初は小さい碁盤(9路盤)からスタートし、だんだんと大きい13路、19路盤を打つようになってきます。
私の手伝う教室では、碁盤の前に一人で座れて、人に迷惑をかけなければ4歳くらいから受け入れています。

さすがに4歳の子は最初は、1局(10分程度)打ってはママやパパのところで休憩し、また打つ・・・という感じなのですが、囲碁が楽しくなってきたり、集中力が続くようになると、何局も繰り返し打てるようになります。その分碁盤の前にきちんと座って人の話を聞く、ということができるようになります。

本当に集中している子は、真冬の寒い時期でも頭から汗を流して一生懸命いい手がないか考えています。

5歳の子供でも19路盤が打てるようになったら、一つの対局に勝つために1時間以上集中していられることもざらにあります。

楽しみながら計算ができる

ご存じない方も多いかも知れませんが、囲碁というのは陣地取りゲームです。自分の陣地と相手の陣地、どちらが大きいかを競い合います。

対局が終わると、陣地を数えてそれぞれどれくらい(何目)あったかを教えあいます。
なので自然と数を数えられるようになります。
ここが10目で、あそこが8目だから・・・先生の陣地は18目です!なんて足し算をして教えてくれる幼稚園の子供もいます。

そして先生の方も、○ちゃんの陣地は20目でした。どっちが多いかな?何目勝ちかな?なんて引き算をさせます。

普通に20ー18=?なんて聞いても、「計算キラーイ!」といって答えてくれない子供たちも、勝ち負けが関係してくるので一生懸命計算しています。

さらに・・・小さい碁盤だと、足し算引き算くらいしか使わないのですが、大きい碁盤になると何十目もの陣地ができたりします。

そういうときに使われるのが、かけ算。

5の列が8こあるから40目!など、小学生にあがる前の子供でも、それは何度も使うので簡単なかけ算がどんどんできるようになっていきます。

情操教育、競争心がめばえる

学校や幼稚園の中では、同じ年の子供しかいませんね。けれど囲碁教室では自分より年下の子供がいたり、自分よりお兄さん、お姉さんがいたりと年齢はさまざまです。

年上の子が、小さい子が囲碁の本を読もうとしているけれど本棚に手が届かない・・・なんてことに気づいて本をとってあげたり、お弁当を食べるときにペットボトルのふたをあけてあげたりという光景も目にします。

逆に年下の子供も、年上の子から悪気なく「○くんまだお箸使えないんだね」なんて言われると・・・子供ながらに負けたくないのでしょう、それまでは「ぼくはまだ幼稚園だからお箸使えなくてもいいんだよ、小学校に入ったら練習するから」なんて言っていた子が、気がついたらお箸が使えるようになっていました。

こっそり親御さんに聞くと、家で練習したみたいです。笑

負けたくないという気持ち

対局に負けたくないという気持ちが強すぎて、泣き出してしまう子供もいます。

特に、直前まで勝っていたのに、気のゆるみから見落としやミスをして、大逆転をされてしまったとき、ショックで泣き出してしまったり。

ふだんの生活の中で、完全に自分の責任で、自分が窮地に陥ったりショックを受けることはなかなかないと思います。

他にも、どうしても勝つことのできない、でも勝ちたいお友達がいたり・・・囲碁というものは、はっきりと勝ち負けが決まってしまうゲームですので、子供たちは何度も失敗や挫折を繰り返し「今回は見落としで負けてしまったから次から気をつけよう」「どうしてもあの子に勝ちたいから、この本で勉強しよう」など、自分で課題を見つけてクリアしていきます。

そして、どうしても勝ちたい、でも負けそうで怖い、という自分の精神状態もコントロールして、対局に臨んでいきます。

現代社会の中で、自分で課題を見つけてそれをクリアしていく力を持つというのはとても大事なことですね。

学校以外の世界が広がる

囲碁教室に来る他の子たちは、学校が違うことがほとんど。なかには他府県から来る子も居ます。

そして強い子は、県対抗などの囲碁大会で同じ教室の友達と再会したりして、学校以外の場所での人間関係を構築していきます。

私も、昔子供教室に通っているとき、学校で嫌なことがあって囲碁教室の他のお友達と遊んで気を紛らわせていました。

学校が子供の社会のすべてになりがちな今、それ以外の自分の居場所というものも大切ですよね。

まとめ

いかがでしたか?

囲碁は頭を使う、勉強ができる子だけができるゲームではありません。

大人だけでなく、子供の勉強にも役に立ち、何より情操教育にとても良い頭脳スポーツです。

楽しみながら数字に触れて親しむことができ、人間としても一回り成長することができる、お子さんに囲碁を習わせてみませんか?

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